ずっとあなたのことが好きだった。
ずっとあなたに触れたいと思っていた。
でも、あなたにその事は言えなかった。
口に出してしまったら、終わりになる、そう思ったのだ。
私は怨霊だから。
怨霊だから、清らかなあなたに触れてはならない、気持ちを伝えてはいけない、そう自分を制御していた。
あなたを穢すことが怖かった。
わたしの気持ちを知ったあなたが苦悩するのが嫌だった。
怨霊と一緒にいたいと誰が望む?
だが、現実は違った。
あなたは何度も時空を超え、私を助けてくれた。
私はそんなあなたが嬉しくもあり、また怖くも感じた。
あなたはとても尊い存在。
その清らかな気に触れていると、いつしか自分が消えてしまいそうで……。
今となっては浄化されたい、と願っていたのにおかしな話だと思う。
あなたの優しさに幾度励まされ、そして安らいだことだろう。
私はあなたのために、現世にいたい、そう思った。
神子、今こそあなたに伝えてもいいだろうか。
神子……あなたのことが好きだ。
あなたという清らかな光りによって、私は自分を見失わずにここまでくることが出来た。
あなたとずっと一緒にいたい。
たとえ、不確かな存在だとしても……。
傍にいることを許してくれるか?
平 敦盛
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